地質調査・建設コンサルタント

地すべり解析・対策工設計

社会基盤維持強靭化

防災・減災対策

環境・汚染対策

目的:

  • 工事に係る計画・設計・施工・管理

土木構造分類:

  • 鉄道
  • 道路
  • ダム
  • 港湾、空港
  • 河川
  • 橋梁

災害対策:

  • 地震
  • 台風(大雨、洪水)
日本の複雑な地質構造と集中豪雨・積雪、頻発する地震発生あるいは人為的な斜面改変は、地すべりの発生を助長することになります。このため斜面の不安定化に対し、住民の安全安心や構造物・農地・森林などを被災から守る対策が必要となります。
地すべり対策は、「どのような時に」「どのようにして」「どのくらいの規模で」地すべりが発生するかを調査検討した上で、確実な対策工を計画します。
まず、地すべり調査は、地表地質踏査で平面的な特徴を、調査ボーリングで三次元的な特徴を把握します。
次に、地表面やボーリング孔内に観測機器を設置し、動態観測を行って挙動を監視します。
これらの調査・観測結果から地すべり規模・動き・進展状況などを解析した上で有効な対策工を計画・設計します。
また、構造物の造成に伴って生じる斜面に対しても同様の調査・解析を行い、必要な対策を検討します。

※図:地すべり構造の模式図

地表変状調査・地質踏査

地すべり地区ルートマップ

露頭で確認されたすべり面の状況

すべり面の厚さは様々だが、すべり面の部分を抜き取ってみると擦痕(スリッケンサイト)が認められ(写真中央)、活発な滑動によりすべり面よりも上の土塊(移動土塊)が完全に移動してすべり面が露頭化する(写真右)こともあります。

ボーリングコア判定・すべり面判定

地すべりの深さは、ボーリングで採取されたコアを用いて判定します。地表踏査で確認されるのと同様に、すべり面は擦痕を伴っていることや鏡肌を呈していることから、ボーリングコア表面だけでなく、コアを割って見て確認し、すべり面深度を判定します。

図:ボーリングコア判定の例
複数の深度に地すべりの痕跡が確認されたため、地中動態観測や地下水検層などの結果を総合的に判断して活動しているすべり面を特定するとともに対策工計画の基礎資料とします。

地すべり動態観測

地表面伸縮計
デジタル地盤傾斜計
抜き板による地割れ変動計測

パイプ歪計観測結果の例

連続する多量の降雨により深度9m付近で累積変位が著しくなった。

孔内傾斜計による動態計測状況

地すべり地の三次元地質解析
安定解析結果の例
各種の調査・観測で地すべり規模が判明したら、現時点(あるいは変状発生当時)の安定性を計算で求めます。そして対策の緊急性を考慮した上で短期的、長期的に地すべりの挙動を抑えるために必要な対策工法のうち、現地の施工環境や確実性を検討して工法を選定し、対策工の設計を行います。

対策工詳細設計

地すべり対策工・斜面対策工は、大きく「抑制工」と「抑止工」に分けられます。このうち、抑止工であるグラウンドアンカー工、抑止杭工は、当社が得意とする工法です。

図:対策工全体実施設計の例

地すべりを発生させた要因である、降雨によって地山に滞留する高い地下水位を速やかに排出できるようにすることを優先して、集水井と水抜きボーリング工の導入を計画しました。また、予防措置的な対策である水抜きと共に、長期的に安定させられるよう、抑止杭の導入を計画し、水抜きと杭の両方で全体を安定化させることを立案・設計しました。

対策工施工

地すべり地内の切土造成によって不安定化する斜面の対策工として、アンカー工を計画・施工した事例
当社の基礎杭技術で用いるBG機で抑止杭を施工している状況

この工法に関連するパンフレット

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